Vol.7 江戸日傘と桜皮細工の籠
この日傘の柄には
桜の木の皮が用いられています。
薄墨で染められた絹に桜とは…
なんと粋な発想ではありませんか。
緩やかな川面に見立てた墨流しの絹。
その上に桜の花びらが散る様を
想像させてくれる日傘です。
この取り合わせがしっくりいくのは
私だけでしょうか…
この日傘を作ってくださった職人さんは
実に美意識の高い方なんだろうなぁと
つくづく思います。
年期の入った籠も
秋田の桜の皮細工です。
秋田角館の森の恵み
『桜皮細工』と呼ばれる所以は、
専門の『かばはぎ』と呼ばれる職人さんが、
ヤマザクラを枯らすことなく
再生させながら皮を部分的に採取して
生活用品を作ってきた事にあるとききます。
ヤマザクラを大切にし、
ヤマザクラとともに生きる
人々の知恵がここにあります。
余談ですが、
この籠は一度盗難にあいましたが
再び私の手元に帰ってきた
縁の深い籠です。