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Vol.11 重要無形文化財
『芭蕉布 絣菱文』

Vol.11 重要無形文化財<br>『芭蕉布 絣菱文』
手にした瞬間、

この布の持つひんやりとして

艶やかな美しさに

魅せられてしまいます。

沖縄の芭蕉畑を

そよぐ風を感じずにはいられません。

芭蕉布は糸芭蕉の繊維を

『芋績み』とよばれる爪や

指先を使って裂いて

同じ太さの繊維を結んで

糸にしていきます。

手作業で糸をつなぐ時間と

手間ののかかる作業を

ゆったりとした空間の中でこなしていきます。

AIに支配されつつある

忙しい現代と真逆の世界です。

そこには自然に囲まれた人々の

営みがあり、心があります。




かの柳宗悦も沖縄の日常にある

この織物に魅せられ

芭蕉の畑を訪れたと語っています。

琉球藍や車輪梅で

染められた糸で

琉球絣に織られた布は

時を経て色が変化しても

美しさは絶えることなく

人々の心に残ります。