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Vol.02 麻

Vol.02 麻

衣類の中でもっとも古い歴史のある布『麻』


蒸し暑い季節にひんやりとした感触の麻は

着心地良く過ごせる必須マテリアルです。

麻の種類は多種多様。


日本では着物にも麻素材を取り入れて

涼を楽しむ文化があります。

芭蕉布、宮古上布、越後上布、近江上布、

小千谷縮など地域によって

特性のある麻素材が生まれました。


いずれもさらりとした手触りで身体からでる熱を

こもらせずに外に逃してくれるので心地よい布

といえるでしょう。手織の麻は向こうが

透けて見えるくらい細い繊維で織られています。

草の茎を細く裂き、撚りをかけて

機織りします。布になるまで時間と手間を

惜しまずにつくられる逸品です。


白い長襦袢の上に重ねる上布のお着物は

素朴ではありますがたいへん美しい布です。


綿の歴史は浅く、栽培が難しく

貴重だった時代の衣類はカラムシや

アカソなど植物の繊維を編んだり、

織ったりして衣類にしていたと聞き及びます。


この植物の繊維でできた布を総称して

『麻』と呼んでいます。歴史の教科書の

挿絵にある弥生人の姿を想像してみてください。

薄茶色の身に纏っている編布。

これが『麻』です。このように人類は

古来より麻と長く付き合ってきたのです。




近年では化学的に熱を放出してくれる

素材も開発され、手入れも簡単な

時代を反映している素材も生まれました。

生活に便利な布を取り入れながら、

伝統文化も同時に残していく努力を

課せられている私たちです。


上質の素材を知る事は伝統文化を知る

良い機会になります。産地に足を運び

悠久の時の流れを感じてみてはいかがでしょうか。